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「あなたの親密な関係にある人とのセックスの質はどのようですか?」

この質問に対する100組の既婚のカップルの回答を分析した結果、私は、セックスの質が時とともに下がっていく傾向のあることを見いだした。
これは、自分たちはとても愛し合っていると述べたカップルでもそうである。

この結果に対するひとつの可能な説明は、セックスは愛よりも生理的欲求の影響を受けるということである。

これを食物で考えると、いつも同じ料理はたとえその料理が望んでいる食品を含んでいても、ついには飽きてしまう。
すなわち、長期の関係の固有のプロセスに関係している。
もうひとつの可能な説明は、年を取っていく自然のプロセスに関係している。

男性は、性欲の強さ のピ－ク（セックスの享受あるいは恋人としての能力の最高点ではないにしても）は、18歳ごろである。
女性は３０歳ごろである。

大多数の人はピ－クのあと、性欲は下がっていく。
カップルが若ければ若いほど、性生活の質はよいということをデ－タは示しているが、まだ、子どもが小さかったり、住宅ロ－ンの支払いがあったりすると、年齢よりもそのことがらのストレスがセックスに影響する。

説明がどうあっても、結論は、セックスの質は時とともに下がっていくことは避けられないということである。

その場合、セックスが重要な要素である愛の関係の前途はとても暗くなる。
性行為の変化は、結局、限られており、ほとんどのカップルにとって性行為は少なくとも１週間に１度はくり返される。

10年間結婚していて、同じ人とほぼ500回性行為をしたら、退屈が忍び寄ってくるのはまったく避けられないことだろうか。

必ずしもそうではない。
セックスはたんなる生理的欲求ではないので、退屈は避けられないことで はない。
私の研究ではカップルのセックスの質は、身体的魅力と同じくらい、心理的、知的魅力に関係していた。

肉体的魅力は内面化している理想の異性像の影響を受け、もちろん、よいセックスの大きな要素である。
しかし、肉体的魅力だけでは、本質的には、長期の関係を持続させることはできない。

感情的つながりのないあるいは精神的きずなのないゆきずりのセックスでは、情欲を満たしたあとは、退屈がしばしば訪れる。

肉体的魅力が精神的、知的能力をともなっている性的出会いは、セックスを、愛を交わす不思議な力に変換する出会いである。
ジョエフ・ブロックは次のように書いている。

思考、感情、欲望の親密な交換がなければ、きわめて熱烈な性的関係でもまもなく枯渇するてせあろう。
性的満足はしばしば２人の非性的満足の程度に対応する。

私の研究では、相手を「自分の人生で一番愛した人」と述べているパ－トナ－はそうでない人より もよいセックスを報告した。

同様に、相手をお互いに「親友」と述べているカップルは、そうでないカップルよりも、よいセックスをしていた。

よいセックスは、２人の間の情緒的なきずなに影響するし、影響される。

長期の親密な関係におけるセックスの質を改善するためには２つの方法がある。
ひとつはセックスを改善することであり、もうひとつは、２人の関係を改善することである。

しかし、感情の高まりがない場合は、テクニックの改善は効果は一時的であるということである。

ほとんどのカップルセラピストがとってる方法は、２人の関係がよくなると、セックスもまたよくなると考えて、夫婦関係を改善しようとする。
そのためには、包み隠さず、防衛的にならず、率直にコミュニケ－ションをすることである。

カップルがセックスについて、包み隠さず、自由に話をすることができるなら、ベッドで２人が 何を求めているかがわかるよい機会になる。